WAESCHEKOENIGにおける革新技術と持続可能性

お客様は神様

WAESCHEKOENIG GmbH & Co. KGは、27年前ウド・ケーニッヒ氏によってドイツのグロース＝ウムシュタットで創業しました。ドイツ・ヘッセン州の南部にあり、歴史的な中心街をもつこの小都市は、フランクフルトから約50㎞の場所にあります。

当時、同社のクリーニング事業は常客と店頭での持ち込み顧客への対応に十分な規模でした。しかし、時は過ぎ、WAESCHEKOENIGの顧客領域は個人の新規顧客だけでなく、一般企業、有名レストラン、ホテル、産業顧客や公的施設、介護施設、病院等のヘルスケア業界までも拡大を遂げました。このため、街の中心地にあったクリーニング店としてはあっという間にその規模をまかなえなくなりました。これを受けて2000年、同社はグロース＝ウムシュタットの工業地区へ移転しました。
ここでも顧客領域の拡大はさらに進み、同社にとってのさらなるマイルストーンが築かれました。それが2013年のさらなる移転です。ここでは顧客ニーズへの対応を可能とするため、同社が初めて自社計画に取り組み、クリーニング工場を完成させました。

2016年以降、同社はドイツ全域でレンタルユニフォームに重点を置いたクリーニング事業者パートナーネットワークを展開するDRESS-Line GmbHのパートナー企業となっています。45名を超える従業員が従事する同社では、今も変わらず「お客様は神様」をモットーとして掲げています。作業服からタオル、シーツに至るまで、WAESCHEKOENIGクリーニング会社の従業員は、洗濯だけでなく、チェック作業と修理も行い、顧客それぞれのニーズに対応しています。

ここで今！

同社は手工業、産業界、ヘルスケア業界の各社にユニフォームや作業服を提供しています。さらに、ホテルやレストランに対して、シーツ、ハンドタオル、バスタオル、テーブルクロス等の提供も行っています。オーナー企業というメリットを活かし、顧客に対して高いアジリティを約束できるというのも同社の特徴です。「我々は、高い柔軟性をもって、多くのお客様のニーズに個別に対応しながら、テキスタイル用品を提供できる。当社の短い意思決定ルートによって、迅速に変更を実行することができる」とウド・ケーニッヒ取締役は話しています。

顧客には、レンタルシステムまたは購入システムを通じてそれぞれのニーズに沿ったテキスタイル用品とクリーニングサービスが提供されます。「我々は汚れた洗濯物をお客様の現場で引き取り、これらを、時にはRKI指令にもとづいて洗濯する。そして次の納品周期にこれをお届けしている。」ロベルト・コッホ研究所 (RKI) は、疾病の監視と予防、バイオ医療の研究を担いながら、公共衛生分野でグローバルにネットワークを展開しているドイツの連邦研究所です。

同社は、数トンにおよぶホテル・レストラン向けの洗濯物、およびユニフォームセグメントにおいて数千件に及ぶ洗濯物を処理しています。レンタルユニフォームにおいては、修理および安全関連チェックといったサービスも含まれています。テキスタイル品の品質と処理量を維持するため、洗濯、乾燥、折畳み、吊り下げ、アイロナといった工程の大半が自動的に行われています。

大きな課題

2023年の初め、クリーニング工場で大規模な火災が起こるという衝撃的な事件が発生しました。幸い負傷者はいませんでしたが、クリーニング工場は一からの完全な再建が必要となりました。この際に精力的なサポートを行ったのが、ドイツのJENSENチームです。「トビアス・ヴィッツラー氏（地域営業マネージャー）は当初から多大に尽力してくれた」とウド・ケーニッヒ取締役は称賛しながら、サポートにおいても全体的なコンセプトにおいても非常に説得力のあるものであったと述べています。ここでは、すばらしいサポートが行われ、2024年の初め、クリーニング工場は新たなスタートを遂げ、輝きを取り戻しました。高い天井には大きな採光口が施され、工場内では優れた通気性能が確保されていることから、毎日最大15トンの洗濯物を処理する従業員のために快適な温度と仕事環境が確保されています。

ドイツ初となる JENSEN UniQ 連続洗濯機が WAESCHEKOENIG GmbH & Co. KG に設置されたのは2020年のことです。同クリーニング工場ではこの UniQ コンセプトが依然として活躍しており、迅速な希釈を目的とする特許取得済みのすすぎ工程と非常に少ない水消費量による優れた回収コンセプトがその実力を発揮していることから、この洗濯技術を引き続き採用することになりました。

最高の生産性、洗浄力、効率、持続可能性をもって、JENSEN UniQ はこれらの目標の達成に貢献します。これらのプロセスは、全体的な CO2 排出量が大幅に削減されます。新たに統合された UVClean システムと ErgoVision システムがこの設備を完璧に補完しています。

「この総合的なコンセプトは、人と環境のためのエネルギープロセスの常なる最適化、資源保護に努める行動、効率的な作業という我々の思考をより強化してくれる。認証、エネルギーバランスデータを求めるお客様はますます増加している。結局はすべてがつながっているのだ」とウド・ケーニッヒ氏は述べています。

清潔に、さらに清潔に、UVClean

JENSEN UniQ 連続洗濯機用で使用される、特許取得済みの UVClean システムは、二重胴構造における細菌の繁殖を化学薬品を使用せずに自然な方法で防止します。これは細菌や菌類を除去する最も自然で環境にやさしく、効率的な方法です。さらに化学薬品による方法とは異なり、細菌が紫外線に対して耐性を得ることはありません。洗濯物は通常、連続洗濯機の本洗ゾーンで殺菌されます。しかしどんなタイプの連続洗濯機であっても、すすぎゾーンで再び被洗物に微生物が付着するリスクがあります。その原因は連続洗濯機内の細菌性バイオフィルムにあり、これが洗濯水で頻繁に洗い流されることのない温かく湿った領域で完璧な培地を形成しているからです。

解決策はシンプルで自然なものでした。紫外線C波（UV-C）は、局在するバイオフィルムを処理する現在の方法への自然なアプローチです。他の殺菌方法と比べて化学薬品を使用しないため、環境適合性および廃棄の面で問題がないという利点があります。連続洗濯機には、外胴を囲む筐体に2つのUV-Cランプが取り付けられています。これらのランプが内胴と外胴の間の内側表面を照射します。反射により照射光が内側表面に到達し、微生物を除去します。この運用コストを非常に抑えた、シンプルかつメンテナンスフリーなシステムが、クリーニング事業者が抱える多様な問題の解決を助けます。

ErgoVision: 高効率な新しいビデオ監視

洗濯物の投入と取り出し工程のための、新しいErgoVisionビデオ監視機能が運転の安全性を向上させます。監視が簡単になり、貴重な時間が節約されるとともに、全体的な運転安全性が高まります。ビデオによるこの監視システムは、連続洗濯機の投入部と排出部をリアルタイムで表示します。ビデオ画像はクリアな、高解像度フォーマットで、コントローラを通じて再生されるため、これらの領域を直観的にわかりやすく監視することができるようになります。ErgoVisionによって、投入や排出の間に発生する異常を早期に検知し、その箇所を確認および解消することができるようになります。これは時間の節約につながり、確実にシステムの生産性と安全性を向上します。

JENSENの連続洗濯機は高い生産性、信頼性、柔軟性を誇っています。FlexWash、FlexRinseの両テクノロジーは、マシン全体でバッチ整合性を確保し、すべてのバッチで完全なプロセス管理を提供します。オープンなドラム設計により、搬送時間は他の連続洗濯機よりも10％速くなります。それぞれのバッチには、洗剤量やプロセス水温度、槽レベル、その他のパラメータがプログラミングされた個別槽が割り当てられます。まさに、グロース＝ウムシュタット拠点でのプロセスフローに理想的な製品です。

最良の設備で未来に備える

「当社は、作業手順の継続的な最適化と最新技術への投資によってパフォーマンスを常に向上し、ここ数年の間に、有数企業や施設のお客様の信頼できるパートナーとして成長を遂げてきた。新たに機械や設備を導入する際には、手入れの行き届いた洗濯物という当社のイメージに合ったものを選ぶようにしている」とウド・ケーニッヒ氏は誇らしげに話しています。JENSENとその連続洗濯機 UniQ はそこで強力なパートナーとなります。人間工学を重視したハンドリングが行えるように採用されたアルミ製の軽量パネルもそのコンセプトの一部です。メンテナンス作業の際には、このパネルを簡単に取り外すことができ、最高の安全要件も満たしています。さらに、新しいXR乾燥機では排出口の開口部が広くなっており、より速い排出が可能になることから、何秒も節約できるようになります。このため、クリーニング工場では、1つのシフトの間により大量の選択物を処理できるようになります。同社では、XR乾燥機はさらに2台発注しており、今後もその乾燥能力がアップされ続けます。

ユニフォーム用に使用される新しい MetriQ 投入ステーションも好評です。「簡単かつ直観的な操作はどこでも好評であるだけでなく、従来のステーションと比べて50%という驚くべきパフォーマンス向上が実現できている」とウド・ケーニッヒ氏は説明しています。これには、品質改良された Lobster アイロンも大きく寄与しています。「アイロンのハンドリング、そして包括的なパフォーマンスがこれほどまでに優れているとは思わなかった」とウド・ケーニッヒ氏はその驚きを隠せません。投入ステーション MetriQ では、オペレータに対して常にボタンが正面にくるように投入することができます。MetriQ は、特に作業着、手術着、患者着を扱うランドリーにとって有用です。ユニークかつ新しい投入方式により、異なるアイテムが混在する状態での処理が可能となり、洗濯工程が簡素化されます。ウド・ケーニッヒ氏によると、”パワーアップされた”トンネル仕上げ機でも優れたパフォーマンスが実現されているとのことです。両方のアイロナーラインには KliQ Plus および 2000 バージョンが装備されています。KliQ Plus 多機能フィーダーでは、高い供給能力と取り込み品質が実現されています。2000 バージョンは多彩な使用を可能としています。このフィーダーの特徴はテーブルクロスやシーツの優れた取り込みにあります。また、消費データにもご注目ください。「洗濯物の量が増え、設備のパフォーマンスも高くなっているにもかかわらず、当社におけるガスの総消費量は前年比で低くなっている。これには本当に驚いた」とウド・ケーニッヒ氏は報告しています。

そして社内物流への配慮も行われました。ウド・ケーニッヒ氏は、「昔は大量のアルミ製コンテナを使用しており、中間バッファが多く生じていた。ベルトを使用したソリューションによって、コンテナの数はかなり減った。コンテナからの取り出しや徒歩による移動が減り、従業員たちはとても喜んでいる。これは我々にとっても大きなメリットをもたらす結果となった」と話しています。

「毎日、当社では接客業界、病院、介護施設だけでなく手工業、産業界といった様々なお客様向けに多彩な洗濯物とテキスタイル品の洗浄とお手入れをお届けしている。ここでは常に品質を重視し、お客様の信頼を獲得している。27年以上にもわたって当社はクリーニング事業とテキスタイル洗濯サービスに携わっており、固定客数も成長を遂げている。再建されたクリーニング工場もそうだが、これは我々にとってかけがえのないものである」とウド・ケーニッヒ氏は強調しています。