技術的記事

ランドリー設備を再起動するためのガイド

何事にも「ポストシーズン」があります。新型コロナウイルス感染症の危機と、それにより人々や企業に課された制約は、世界中で深刻な影響を与えています。ですが、今回のように非常に特殊な苦難の時期もやがて過ぎ去り、その後には必然的に、より明るく、より良い時代が訪れるものです。できるだけ早く「新しく」普段通りの生活に戻りたいものです。

 

長期間、稼働停止していた場合も、JENSENの機器は大きな問題なく再起動することができます。ランドリーの再開準備が整いましたら、次のような簡単な手順を実行していただくのが理想的です。

 

まず始めに
機械を保護していたプラスチックカバーを外します。防食剤で保護していたすべての金属表面を清掃し、ほこりをきれいに取り除きます。さらに、すべてのエアーリザーバーを閉じることをお勧めします。 


Futurail バッグシステム

まず、FuturailのデータベースサーバーPCの電源を入れます。そうすると、データベースとソフトウェアシステムが再起動され、接続されます。 

次に、すべてのFuturailのコントロールパネルに対する3相の電源をオンにします。電源が入ったら、起動させたすべての緊急停止装置をチェックし、リセットします。緊急停止装置は、MLAリフト、コンベア、コントロールパネルに配置されています。必要に応じて、追加のFuturail操作用のコンピューターステーション(追加のPCまたはHMI)や仕分けステーションや排出場所にある表示画面があれば、それらのスイッチを入れます。 


ウォッシュルーム部門

電源やその他のユーティリティをオンにする前に、ウォッシュルーム部門のすべての機械に適切なメンテナンスを実行することをお勧めします。詳細は各機器のマニュアルを参照してください。

連続洗濯機

  • 空気および蒸気の供給部にドレン水がないかチェックし、必要に応じて排水します。
  • タンクとダブルドラムセクションを水で満たし、蒸気により加熱します。
  • プログラム0で連続洗濯機を運転します。空バッチで10分間運転し、水位スイッチ/センサー、水流などを確認します。 

 
プレス型脱水機

  • プレスクッションに損傷がないか、直径が適切であるかをチェックします。 
  • 損傷している場合は交換します。正しい直径についてはマニュアルを参照してください。 
  • オイルリザーバーと油圧オイルに汚染がないかチェックします。  
  • 手動機能を使ってプレス操作を実施します。クッション - バスケットを持ち上げ、ベルトモーターを駆動させます。 
  • 手動操作により空のサイクルを実行します。 

シャトル/コンベア(コンパウンドコントロール経由)

  • コンパウンドコントロールの電源をオンにします。外部の連携機器が全てオンになっていることを確認してください。 
  • 手動操作で機器を運転します。 
  • ベルトが蛇行せずに正常に動作しているかチェックします。シャトル停止近接スイッチが適切に機能しているかもチェックします。 
  • フォトセルの動作をチェックします。 

乾燥機(コンパウンドコントロールの一部)

  • 手動操作で乾燥機を運転します。 
  • 「空のプログラム」で短時間のドライサイクルを実行します。最小/最大乾燥時間5分:インレット150° C/アウトレット65° C
    • 注:インレットのP値は4、アウトレットは2   

仕上げ部門

ガス、エア、電気の供給のスイッチを入れる際には、必要に応じ現地のガスの専門家のサポートを依頼してください。特に、バーナーの再調整には専門家のサポートが必要となります。 

フィーダー

  • すべての可動コンベア、フィードステーションなどを通常位置に戻します。

アイロナー

  • 開けていたすべてのドレン水接続が閉じていることを確認します。
  • 電気とエアの供給が行われたら、ロールを固定している輸送時固定ブラケットまたは安全ボルトを取り外すことができます。
  • 液体ワックスで保護されたチェストとギャップピースをゆっくりと加熱してワックスを布で拭き取ります。清掃後、機械を稼働する前には通常通りチェストワックスをかける必要があります。保護剤としてワックスがけのみを行ったアイロナーは加熱し、通常通りクリーニングマットと雑巾で清掃します。こちらも、稼働する前に通常通りワックスをかける必要があります。

折り畳み機とスタッカー

  • 下降した空圧式可動部品は、通常の位置に戻ります。

ユニフォーム折り畳み機

  • 下降した空圧式可動部品は、通常の位置に戻ります。

ユニフォーム仕上げ機
•    開けていたすべてのドレン水接続が閉じていることを確認します。


Metricon ガーメント/ユニフォーム部門

メンテナンスを行う前に、システムが電源と圧縮空気から正しく切り離されていることを確認してください。

  • メンテナンスマニュアルに従い、乾いた布でほこりや汚れの粒子を拭き取り、すべてのスリックレールとグライド部分を清掃します。
  • チェーンから垂れたオイルがあれば、ペーパータオルやそれに類する素材を使用して拭き取ります。
  • すべてのチェーンを点検する必要があります。チェーンが乾燥していたり、錆びの兆候が見られる場合は、推奨オイルであるFuchs S.K.D 16Nで潤滑します。Metristoreラインには特にごく少量の注油に留めてください。注油のし過ぎはハンガー/衣類の汚染につながることがあります。
  • 空気圧をオンにします。
  • 空気の漏れがないかシステムをチェックします。漏れは音で確認できます。
  • 乾いた布を使用して、すべてのフォトセルとスキャナーレンズをやさしく拭きます。
  • PC台の電源スイッチをオンにして、すべてのPCの電源を入れます。
  • メインキャビネットの電源スイッチをオンにします。これにより、モニター、入出力モジュール、スキャナーなどに電源が入ります。
  • MCPCの稼働モードが自動的に起動します。その後「稼働」をクリックしてMetriconソフトウェアを起動しない場合は、プログラムの実行まで待機してください。
  • ターミナルの起動(MCPCから): 
    • ネットワークメニュー → ターミナルの起動。
  • すべてのターミナルが起動すると、MFSの画面の下部に結果が表示されます(「接続済み」または「接続待機中」と表示)。
  • メインキャビネットで以下の3つの手順を実行し、すべてのコンベアとチェーンを起動します。
    • 緊急アラームを解除する(青色に点灯しているボタン)
    • 始動ボタンを押す(白色のボタン、始動後点灯)
    • リセットボタンを押す(青色のボタン)


損傷や誤作動のリスクを抑えるために、丁寧に注意深く運転を再開して頂く必要があります。上記のガイドラインに従い進めていただくことで安全シンプル、スムーズな再始動が可能になります。 

今後の皆様のご多幸をお祈りしております。ご相談はいつでも承っております。サポートが必要な場合は、最寄りのJENSENサービスチームにお問い合わせください。 
 

 

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