技術的記事

特許取得 紫外線殺菌UVCleanで環境にやさしい衛生を実現

ドイツのKellnerランドリー工場は60年以上にわたり最高品質のリネンを生産しています。環境配慮と衛生管理を最重視する同工場では2017年に導入したJENSEN連続洗濯機P50-15に、このたびUVCleanを後付けしました。JENSEN連洗機用UVCleanシステム(2020年特許取得)は、化学薬品を使用せずに自然な方法でダブルドラムの細菌繁殖を防止、ナチュラルで環境に優しく効率的に細菌を除去する方法です。

 

イノベーションに意欲的なランドリー工場
同工場があるオステローデ市は木組みの家が立ち並ぶ小さな居心地の良い町で、ハルツ山地の玄関口とも呼ばれます。ハルツ森林国立公園は、ドイツ北部で最も人気のあるハイキングコース、スキーリゾートです。古い伝説と険しい自然が混在するその地には、年間を通して多くの観光客が訪れます。このハルツ南部に位置し日当たりの良いオステローデは、国立公園への拠点として素晴らしい観光資源を有します。 
魔女さえ恐れなければ「ゲーテの小径」や「ハルツの魔女の山道」などのハイキングコースで、伝説の森や神秘的な高地湿原を散策することができます。ただしUVCleanは魔女の魔法ではありません。この後付け可能な装置は、最も自然で環境に優しくかつ効率的に細菌を除去する科学的な方法です。
Kellner工場では、2019年に新館建設の拡張工事を行い、ランドリーを最新化するためのスペースを十分に確保した後、UVCleanを導入しました。リネンサプライ業界組合Zentratexに属し、ドイツ全国から受託する同工場は、テキスタイルケア分野におけるノウハウを豊富に持ち、病院、診療所、老人ホーム、ホテル、工場・製造業に特化しています。今回、2年間使用したJENSEN連続洗濯機P50-15にUVCleanを後付けし、環境にやさしい洗濯方法で、完璧な衛生品質を提供しています。
JENSEN連洗機用に設計された、特許取得UVCleanシステムは、化学薬品を使用せずに自然な方法で、ダブルドラム構造における細菌繁殖を防止します。これは細菌や菌類を除去する最も自然で環境にやさしく、効率的な方法です。化学薬品による方法とは異なり、細菌は紫外線に耐性を得ることができません。JENSENの開発チームは、シンプルでありながら革新的な方法でランドリーの利益を拡大させることに成功しました。

連続洗濯機の細菌汚染
被洗物は通常、連続洗濯機の本洗ゾーンで殺菌されます。しかし、どんなタイプの連洗機であっても、すすぎゾーンで再びリネンに微生物が付着するリスクがあります。その原因は連洗機内の細菌性バイオフィルムにあり、これが洗濯水で頻繁に洗い流されることのない温かく湿った部分で培地を形成しているからです。したがって細菌やバイオフィルムの繁殖を抑制するために、連洗機内部表面の殺菌が不可欠となります。これはKellner工場においても重要な課題です。槽内水位レベルより下では、外胴の内側表面は常に洗濯水にさらされており、ここに微生物が堆積することはできず、殺菌剤を投入すればそれが表面に直接作用して細菌の定着を防ぐことができます。しかし、水位レベルより上では、内側表面が洗い流されることが頻繁にはなく、高温で、常に湿度が高くなっています。さらに洗剤・添加剤・のり剤を含んだ洗濯水の飛沫や、結露水がそこにたまります。つまりこの一帯は温かく湿気が多く、蒸し風呂のような状態になっているのです。この環境が微生物の増殖を促進し、表面に堆積してバイオフィルム形成を可能にします。機械内部のそのような表面の清掃は難しく費用がかかります。我々JENSENの目標は、バイオフィルムが形成される前に内側表面から微生物を除去することでした。 

自然からのインスピレーションを活かして完成
解決策はシンプルで自然なものでした。紫外線C波(UV-C)は、局在するバイオフィルムを処理するための自然なアプローチです。この方法は製薬業界でも使われており、抗生物質が効かない多剤耐性菌に対処する場合などに活用されています。細菌、菌類、ウイルス、その他の病原体などの微生物を死滅させ、繁殖を防ぐことができます。他の殺菌方法と比べ、化学薬品を使用しないため環境適合性および廃棄の面で問題がないという利点があります。UV-C照射は今日さまざまな用途に使用されており、例えば下水処理場・実験室・空調システムの消毒、さらにはプールや水族館、および食品や飲料の加工処理のさまざまな段階などが挙げられます。診療所や病院では器具・作業台・室内空気を滅菌するためにUV-C照射が使用されています。2019年、JENSENは連続洗濯機向けのUV-Cテクノロジーを発表しました。その1年後の2020年には特許が付与されました。

UVCleanは後付けも可能
Kellnerランドリー工場の連続洗濯機には、外胴を囲む筐体にUV-Cランプが2個、取り付けられました。これらのランプが内胴と外胴の間の内側表面を照射し、反射により照射光が内側表面に到達、微生物が除去されます。シンプルでほぼメンテナンスフリーのこのシステムは、運用コストが非常に低くなっています。10 W電球2個の交換時期は1年後。24時間無休で16か月間稼働させたとしてもUVランプは75%の照射量を維持します。またランプ交換、ランプ清掃もごく簡単です。表面に接触させた試験片は、2つの試験フランジを使って簡単に採取することができ、UVCleanシステムの効果をいつでも測定できます。また、ランプの照射性能は検査窓から確認可能です。

実用テストに合格
JENSENの開発チームは顧客ランドリーで広範テストを行い、UVCleanがいかに効果的に細菌を除去するかを実証しました。このテストでは定義された細菌で汚染した試験片を、試験フランジを使用して照射源から異なる距離で外胴の内側に設置し、一定時間UV照射しました。

「私たちは定義された細菌サンプルの減少と細菌の総数を評価し、その結果に驚きました。」と語るのはJENSENのウォッシュルーム技術部門営業部長マーティン・スコップ。「この結果を受け、連続洗濯機の細菌、菌類、バイオフィルムを除去するための環境にやさしい未来志向の方法として、自信を持ってUVCleanをお勧めします。ランドリー工場の様々な問題を解決する、省メンテナンスでシンプルなシステムです。」

Kellnerランドリー工場はwfk(ドイツ洗濯研究所)の認定工場であり、最も厳格な衛生基準を適用しています。その基準にはリネン経由での病気の感染を防止、清潔で衛生的なリネンの生産が含まれます。さらに環境への配慮、そしてリネン製品にやさしい洗濯プロセスも含まれます。JENSEN連続洗濯機Senking Universal P50-15にUVCleanを追加装備することで、これらすべてを解決することができます。ハルツ山地を訪れる観光客も、Kellnerクリーニング工場が生産する衛生的なリネンを使用して、安心して休暇を過ごすことができるのです。
 

特許を取得したUVランプが外胴に取り付けられます。

UVCleanは、連続洗濯機の細菌、菌類、バイオフィルムを除去するための経済的で、生態系に配慮した最新の方法です。

人間と自然の維持に不可欠な日光。UVCleanを使用すれば、ランドリー工場でもこの貴重な資源の恩恵を受けることができます。

ドイツ有数のハルツ森林国立公園は人気の観光地です。

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