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オーストリアのクレムス市に拠点を置くRegina Textilreinigungs 社は、リネンサプライを中心に、繊維製品全般のレンタル・リース、クリーニング事業を展開し、毎日50トンを洗濯、さらに関連工場で医療リネン10トンを処理しています。今回、この工場に最新型JENSEN連続洗濯機Senking Universal P60とJENSENプレス型脱水機SEP 60 Plusが仲間入りしました。コロナウイルス感染拡大の中で新規設置を遂行するには、周到な計画とリモートでの国際的なチームワークが不可欠です。世界が停滞している今、チームワークが何より必要とされています。
ヨーゼフ・コッツィンガー社長が指揮をとる同社は、オーストリア有数のランドリーです。同社のあるクレムス市は人口2万5千人、ウィーンから西へ約70キロ、クレムス川とドナウ川の合流点に位置します。
市内には従業員1,000人を超える大学病院、世界遺産ヴァッハウ渓谷、クレムス旧市街といった観光名所も多く、Regina社の顧客は様々な分野に広がっています。同社は1961年創業以来、繊維製品全般のリネンサプライ会社として市場をけん引する伝統的な家族経営企業で、顧客には、ウィーン周辺の介護施設・病院・ホテル・生産工場など約1,000の中小企業が名を連ねています。
準備万端のチーム
この困難な時期に、プレス型脱水機付き連洗システムを既存の装置に統合するプロジェクトは、並大抵の課題ではありませんでした。出張が不可能で、社会的距離をとった非接触のコミュニケーションが新しい生活様式となっている現状では、計画段階から相応の準備が必要でした。今回は、プロジェクトマネージャーのユルゲン・ハースとサービスマネージャーのトーステン・ロルマンを中心とした有能でクリエイティブなチームが、先を見通して全ての機械を計画し、工場設備を早期に統合したことで、課題をクリアすることができました。
たとえ世界中で一時停止ボタンが押されたかのような状況でも、経済活動は継続しており、徹底した衛生管理を必要とする業種では以前より業務量が増えています。社会機能を維持する病院や介護施設には、最高の衛生レベルのリネンを確実に供給しなくてはなりません。Regina社は医療機関向けに、病棟用リネンから白衣、手術用の滅菌包装セットに至るまで、全般的に供給しています。患者、医療従事者の安全を確保するには、最高の衛生基準が必須ですので、今回のプレス型脱水機付き連続洗濯システムの設置は、遅延が許されない特に難度の高いプロジェクトとなりました。
連続洗濯機を空から搬入
宙に浮いた巨大なJENSEN連続洗濯機Senking Universal P60が木々の間をゆっくりと通り抜け、工場に設置されました。新しく仲間入りするこの連続洗濯機には、最適な脱水性能と完璧な衛生条件を実現するJENSENプレス型脱水機SEP 60 Plusが備わっています。今回この2台のマシンを既存のオーバーヘッドコンベアシステムとネットワーク制御装置に統合する必要がありましたが、この既存のシステムはJENSEN製ではないことから、統合するには別の前提条件をクリアする必要がありチャレンジングな設置となりました。しかしJENSENでは難しい課題にこそやりがいを感じるものです。非常に高度な専門知識を有するReginaランドリー技術者、オーストリアとドイツのJENSENサービスチームならびにChristeyns社と協力して、洗剤・補助洗浄剤が正しく定量供給されるように洗濯プロセスを設定しながら、他社の助けを借りることなく、清潔側および入荷側を完全に再構築して調整することに成功しました。また、JENSENチームがネットワーク制御のハードウェアとソフトウェアを変更しておいたことで、スムーズな統合が実現しました。更に、Regina工場の技術チームがプロジェクトの初期段階から参加していたため、設置、試運転も円滑に実行されました。
国境を越えた成功
私たち全員が直面している移動制限は、このプロジェクトにも影響を及ぼしました。現場での設置作業はメール、テレビ会議、電話によるリモートソリューション、リモートアクセスを通じて、現行の制限措置の範囲内で最善の形で実施することができました。週末に設定された試運転は、現地でのオペレーターの指導・訓練も含めて円滑に遂行され、トーマス・ケック工場長が率いるReginaチームは、早くも日曜日の昼12時半に洗濯作業を再開することができました。
今後、この工場でJENSEN連続洗濯機Senking Universal P60および付属のプレス型脱水機SEP 60は、その性能をフルに発揮していくことになります。多才な性能を有し、エネルギー・排水の回収システムが統合されたこの連洗システムは、Reginaランドリー工場での効率、生産性と洗濯品質の向上に貢献していくことでしょう。同機の分離された槽で洗濯処理を行うことで、洗濯・すすぎの仕上がりが最高レベルに到達するようになります。特許取得済みアルキメデス螺旋の形状が改良されたことで、ドラムが直径全体にわたり効率的に使用され、高い落下曲線が可能になることで、優れた洗浄メカニズムが実現します。
ヨーゼフ・コッツィンガー社長を中心としたチームに心から感謝すると共に、Regina社の益々の発展を願っています。
早くも日曜の正午には、プレスされた洗濯物のケーキ状のかたまりが JENSENプレス型脱水機から出てきました。
新しいJENSEN連続洗濯機に満足しているトーマス・ケック工場長(右)。JENSENサービスチームのレオ・クレンブーハー(左)と アンドレ・リュットゲ(中央)と共に。