技術的記事
JENSENは2008年、CleanTechコンセプトを発表し、産業用ランドリー向けの新しいアプローチを開発してきました。このコンセプトによって当社の製造開発が、どのように環境配慮を進めてきたのか、JENSEN デンマーク製品開発マネージャーDan Munchよりご紹介します。
「もし仮に、JENSENがCleanTech戦略を打ち出していなかったとしたら、どうなっていたでしょう?」
「現在のお客様のニーズを満たすことはできなかったと思います。何年も前は、エネルギー最適化に対して緊急の対策をとる必要はありませんでしたが、弊社では近い将来、必要とされることを予測していました。これが、JENSEN-GROUPが持続可能性のための新戦略を計画した理由であり、CleanTechという名前に集約されています。
当時は、ほとんどの市場で、環境に配慮したCleanTechソリューションのニーズはありませんでした。しかし、ここ数年で、特に南ヨーロッパの国々で、大きな人気を集めるようになりました。産業用ランドリーには各国の環境規制が課されるため、現在は、解決策が必須となっています。機械メーカーが、環境規制で設定されている要件を満たしていることを当局に文書で証明する必要があり、当社でもプロセスを詳述した文書を数多く作成してきました。」
「現在、業界全体が環境に優しいソリューションに前向きとなったことは喜ばしいことと考えています。当社では、よりエネルギー効率の高い製品を発売した場合、お客様にどのような価値をもたらすだろうか?お客様はその製品に投資する価値があるだろうか?ということを継続的に分析してきました。各国の環境規制の圧力もあり、産業用ランドリー各社では更なる環境対策が求められています。」
CleanTechについて
CleanTechは、JENSENが機械を提供している産業用ランドリーの機能に関してだけでなく、その背後にあるプロセス全体に関わるものだと、Dan Munchは説明します。
「当社は通常、エネルギー効率を考慮し、高効率のモーターを使用しています。エネルギーを多く消費するガスと空気の使用量、一般的な電力の観点から、毎年すべての製品の改善に努めています。また、使用するスチールの製造国にも留意しています。どのような品質であるか、どのように製造されているのか、当社基準と全く異なる基準を持っている国で製造されていないか等を精査しています。
さらに、JENSEN デンマークは、自社の生産プロセスのためにプラスチックの再生に投資しています。デンマークでは、年間40万トンのプラスチックが生産されていますが、リサイクルされるのは5万トンだけです。これでは、JENSEN デンマークの需要を満たせないため、プラスチックのリサイクルがさらに進んでいるスウェーデンやオランダでリサイクル材料を回収する必要があります。リサイクルを進める上で輸送にかかるコスト、環境負荷を考慮する必要があります。再利用による経済的な節約はありませんが、環境負荷は削減しています。
リサイクルと新しいプラスチックでは、価格では違いはありません。ですから、コストを削減するためではなく、可能な限りリサイクルしたいという当社の環境目標のために実施しています。
長期戦略は現在、お客様のニーズに追いついています。開発担当は、環境規制に追い越される前に、企業の環境競争力を向上させる新しいソリューション開発に引き続き取り組んでいます。」
2020年以降のCleanTech
「時代を読んで、次の一手を準備しなくてはなりません。当社はマーケットリーダーとして、環境に優しいソリューションにおいてもリーダーでなくてはならないと考えています。マーケットリーダーとしての責任を意識しています。当社のスケールメリットを活かし、開発の速度を上げていきます。」
この記事は、デンマークのボーンホルム島の出版物「Bornholms Tidende」で出版されたDan Munchのインタビュー記事の抜粋です。Dan Munchは、JENSEN-GROUPのフラットワーク仕上げ技術の拠点となっているJENSEN デンマークに20年以上勤務し、製品開発を担当しています。彼がチームと一緒に開発したアイデアは、JENSENのフラットワーク仕上げ装置でご覧いただけます。