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ハイデルベルク大学病院は、毎年120万人以上の患者が治療を受けるドイツで最大かつ最も有名な医療センターのひとつです。新たに導入されたJENSEN UniQ連続洗濯機2台により、衛生的なリネンが常に供給され効率性が高く、省エネ、かつ持続可能です。
ドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州にあるハイデルベルクは、その絵のように美しい旧市街と城跡で有名で、世界中から多くの人々が訪れています。病気や事故の際には、ハイデルベルク大学病院(UKHD)が最初の選択肢です。
その数字には驚かされます。約15,000人の従業員を擁する地域最大の雇用主であるハイデルベルク大学病院は、2,599床の病床を有し、8万5千人を超える入院患者、そして116万人を超える外来患者の治療を行っています。
ベッドに清潔なシーツがかけられ、衛生的な手術用リネン、ガウン、清掃用モップがいつでも使用できる状態であるようにするため、UKHDのセントラルランドリーは、2台の新しいJENSEN UniQ洗濯ラインに投資することを決定しました。ここでは1日に17トンの洗濯物が2交代制で処理され、6万点以上のアイテムが洗濯されています。
セントラルランドリーはこれまで一貫して病院と顧客のニーズに対応してきました。近年において、ランドリーはますますサービス市場を志向するようになり、1993年からは大学病院に属さない他の病院にもテキスタイルサービスを提供しており、病院向けのテキスタイル製品全般から、作業着やモップのサービスも行っています。
ロジスティクスの圧倒的な功績
新しい設備をランドリーに搬入するためには、最高のロジスティクス・パフォーマンスが要求されました。その準備の大部分は、ランドリー棟の改造でした。建物の耐用性を新しい機械に合わせなければならず、これもスケジュールに含まれました。UKHDのリネンサプライ責任者であるマルコ・ルンゲ氏は、入念な準備を重要視しています。「週に一度、JENSEN、すべての業者、サプライヤーを集めてミーティングを行いました。このようなプロジェクトを準備するには、これ以上の方法はありません」とルンゲ氏は語ります。JENSENのプロジェクトマネージャー、ミヒャエル・フリーグナーとラース・ルッターマンは、ランドリーのマルコ・ルンゲ氏およびヨアヒム・ランガー氏と定期的に連絡を取り合い、作業と工程が最適になるよう調整を重ねました。
「この大規模なプロジェクトで特別なのは、病院への安定したリネン供給に影響を与えずに、洗濯ラインを交換することでした」こう報告するのは営業マネージャーのルドルフ・ホーファーです。
交換中は、古い機械が5週間、24時間無休ですべての洗濯工程を引き受けていました。「古い機械がそれに耐えてくれることを祈るばかりでした。たとえ問題が発生したとしても、提携しているランドリーに頼ることができたので、大学病院には常に衛生的なリネンを届けることは可能でした」ルンゲ氏はそう語ります。
作業は6月末にスタートし、警察の護衛のついた2台のトレーラーでまずは古い設備が撤去されました。その後まもなく、新しいJENSENマシンが3週間の間隔をおいて運び込まれました。それにより、設置と試運転を二段階で実行することができました。つまり、一つ目の洗濯ラインが動作してから、二つ目が設置・試運転されたということです。
共に持続可能性を目指す
ハイデルベルク大学病院はサステナビリティ(持続可能性)を重視しており、このプロジェクトは政府からの資金提供を受けています。「ライン=マイン地方全体で初の12トン電気トラックが、このプロジェクトのために走っています」と、ルンゲ氏は誇らしげに言います。
JENSENもまた、長年にわたって持続可能性に取り組んできました。JENSENの新しい洗濯ラインは最新世代のマシンです。2つのラインはバキューム搬送システムVacuTrans、UniQ 50-15 FlexRinseとUniQ 50-12 FlexRinse、2台のプレスExQ 50 MD、および2台の乾燥機DT 60で構成されています。
UniQの独自のFlexWashテクノロジーは、その完全なバッチ保全性により、最大限の柔軟性と優れた洗濯性能を提供します。JENSEN連続洗濯機は、ブレードのないオープンドラム設計により、業界最短の移送時間を実現しています。アルキメデス・スクリューにより、ロット全体がわずか4秒で次のチャンバーに運ばれます。セントラルランドリーは、新しい洗濯ラインにより工程が高速化し、ダウンタイムやエラーメッセージが減少し、それによって稼働率が向上することを期待しています。
最新の機械設計は、UKHDが特に重視する最高の安全性と衛生要件を満たしています。それと同時に、メンテナンスの手間がほとんどかかりません。
FlexRinseテクノロジーは、マシン全体でロット完全性を確保し、すべてのロットで完全なプロセス制御を提供します。オープンドラム設計により、従来の連続洗濯システムよりも移送が最大50%速く、各ロットは、洗剤量、処理水温、槽水位、その他のパラメータがプログラミングされた個別の槽に留まります。予洗いおよび本洗い領域での洗濯は、スタンディングバス(槽交換方式)で行われます。すすぎゾーンも完全に独立した槽に分かれています。FlexRinseでは、すすぎも槽交換方式で行われます。UniQはさまざまなタイプの洗濯物の処理に最適で、最大限の柔軟性を有するため、UKHDにとって理想的です。
「一つ目の洗濯ラインでは主に手術用リネン、タオル、ベッドリネンが処理され、二つ目では掃除用モップや汚れ落しマットなどが洗濯されます」と、ルンゲ氏。
連続洗濯機はガス給湯器で加熱されるため、エネルギー効率が特に高くなります。混合運転での目標消費量は、洗濯物1kgあたり水4.5リットル(洗濯物1キロあたり電気0.041kWh、ガス給湯器の動作には洗濯物1kgあたりガス0.15kWh)です。「エネルギーは私たちの最大のテーマです。それがJENSENが落札された理由でもありました。これは病院のリネンに特別に良い価値です」ランドリー責任者としての長年の経験を持つルンゲ氏はこう言います。
新しいプレス型脱水機ExQは、プロセスステップの高速化により、最大の生産性と最高の脱水性能を保証します。中圧モデルでは、40barの圧力で洗濯物を脱水します。これは、排水性能がさらに10%向上し、残留水分値が改善することを意味します。
真空搬送システムVacuTransは、オートメーション全体におけるパズルの1ピースであり、新しい2台の洗濯ラインに洗濯物を投入します。これにより機械間の生産フローが加速し、スペースを最適に利用しながら生産性を向上させることができます。
UniQの新時代
「JENSEN洗濯ラインが30年稼働すると仮定します。すると次の洗濯ラインが登場する頃、私はすでに引退していることになります」ランドリー責任者ルンゲ氏は微笑みながら語ります。「そして今、私たちはJENSENの新しいUniQ洗濯ライン使用することで、衛生的に申し分のないリネンを、より早く、より効率的に届けられることにとても満足しています」
「当時入札を開始したのは私の前任であるエドガー・ライシュでしたが、私の考えではそれは正しい決断でした。JENSENの新しい2台の洗濯ラインにより、私たちは将来に向けて体制を整えることができたと確信しています」こう語るのは、ハイデルベルク大学病院のKlinik-Service GmbH取締役社長ピルミン・フーバーです。
洗濯プロセス全体をいつでも把握。
2台の新しいJENSEN UniQが 1日に6万点以上のアイテムを処理。
連続洗濯機の心臓部:アルキメデス・スクリューが投入ホッパーに直結。
マルコ・ルンゲ氏(右)とルドルフ・ホーファー氏(左)は定期的なコミュニケーションを大切にします。