[Translate to Japanese:] “The Inwatec installations operate with multiple neural networks, which is, by definition, an AI approach”, confirms Martin Jakobsgaard, Software Engineer at Inwatec ApS

Robotics

InwatecのシステムにAIがどの程度組み込まれているか?

人工知能は、実にホットなトピックであり、あらゆる産業に大きな変化をもたらしていますが、ランドリー業界ではそれが特に顕著となっています。たとえば、入荷仕分けエリアでは、現在AIを活用したロボットAIが作業を担っています。これは、最も安全かつ最も衛生的で、最も持続可能性の高い、汚れたリネンの仕分け方法であり、近い将来には最も一般的な方法にもなると考えられています。InwatecのソフトウェアエンジニアMartin Jakobsgaard氏に、「本物のAI」がどの程度組み込まれているかについて説明してもらいました。ではまず、人工知能の定義を確認しておきましょう。

 

AIについて

人工知能とは、一般的に人間の知能を必要とするタスクを実行できるコンピュータシステムやソフトウェアの開発を指す言葉です。このタスクには、問題解決、経験による学習、自然言語の理解、パターンの認識、意思決定などが含まれます。AIシステムは、知覚、推理、問題解決、意思決定など、人間の認知機能を模倣またはシミュレーションするように設計されており、多くの場合は、プロセスの自動化や効率の向上のほか、人間が実行するには困難であったり、時間がかかったりする複雑なタスクの処理を目的に開発されています。AIには、機械学習、自然言語処理、コンピュータビジョン、ロボット工学など、さまざまな下位分野が包含されています。また、特定の領域においては、人間のような、あるいは人間を超えた知能を発揮するシステムの創造を目指し、進歩と進化を続けています。

 

AIを活用したInwatecのシステム

ODIN X線スキャナは、衣類をスキャンし、ペン、釘、針といった危険な異物が紛れ込んでいる品物ものを拒否することができます。最良の結果を得るために、最先端の人工知能ソフトウェアを利用してマシンを継続的にトレーニングし、ランドリーごとの要件に応じてパラメータを最適化します。検出の品質は、最終的にはスキャンされる衣類の種類に左右されます。当社では、何百万枚もの画像を収集してそれをサンプルに分割し、約500万枚の画像を使ってニューラルネットワークをトレーニングしています。当社が目指しているのは、ランドリーを通過するアイテムのすべてとは言わないまでも、そのほとんど経験できるような十分なサンプルをニューラルネットワークに提供することです。ニューラルネットワークは、それまでに遭遇したことのあるアイテムを識別することに長けています。そこで当社では、許容されるアイテムがどのように見えるか(ボタン、ファスナーなど)、異物や望ましくない物体(ナイフ、メスなど)がどのように見えるかという点について、できるだけ多くの例を提供しようとしています。金属の検出は比較的簡単ですが、プラスチックのアイテムを識別するのはそれほど簡単ではありません。ほとんどのランドリーで使用されているような従来の金属探知で排除できるのはナイフだけであり、プラスチック製のペンは排除できません。

ODINの初期バージョンには、AIは搭載されていませんでした。AIを活用した通常のコンピュータビジョンに移行することにより、検出率は99%にまで向上しました。X線スキャナによる写真の撮影は複雑な作業ではありませんが、衣服の付属品は許容し、望ましくないアイテムをすべて検出するというのは複雑な作業となります。ODINのAIにより、異物が混入し排除しなければならない洗濯物を確実に区別できるようになっています。

HEIMDALカメラには人工知能が活用されており、色、パターン、テクスチャ、および大きさなどの視覚的特徴に基づいて製品を仕分けることができます。インテリジェントなソフトウェアと組み合わせると、HEIMDALは、さまざまなタイプの洗濯物を区別できるようになります。プロジェクトごとに独自のデータセットを受け取るため、具体的な仕分け構成と製品ポートフォリオに関するトレーニングが必要となります。現在は、作業着用、リネン用、混合した製品用など、さまざまなシステムが稼働しています。RFIDがなくても、HEIMDALがあれば手作業による仕分けよりも優れた仕分け精度を実現することができます。

HEIMDALへの入力も画像ですが、X線画像とは異なり、その画像は実際のカラー写真です。このシステムもODINと同様に、ニューラルネットワークを使用してアイテムのフィンガープリントを作成して、小さなタオルと大きなタオルを区別するなど、正確な識別を実現します。

 

普段使いのAIとの比較: ChatGPT

ChatGPTは、保存された収集データを使ってトレーニングされており、そのデータはニューラルネットワークを通じて応答に変換されています。このプロセスは、ランドリーにおいてAIが機能する仕組みによく似ています。重要な違いは、当社では人の手によってラベル付けされた画像を使用しているという点にあります。これは、人間が定義してシステムに入力することにより、ニューラルネットワークに供給されるデータの正確さを確保するためです。当社は、ソフトウェアエンジニアと密接に協力し、モデルを改良し、正しいデータセットを作成し、最初から効果的なトレーニングプロセスを確立できるようにしています。ODINのAIをトレーニングする際には、不適切な選択やミスが発生することもあります。 

システムを改善するには、予測だけに頼らず、ニューラルネットワークを通してモデルをトレーニングすることが不可欠ですが、その過程でミスが多くなることも考えられます。ニューラルネットワークの使用は、定義上、AIのアプローチとなります。これは、ChatGPTのほか、各種産業における数多くの産業用アプリケーション、および世界中の多くのランドリーの仕分けエリアに適用され成功しています。 

AIがなければ、単なる写真ツールとしての機能に留まり、アイテムの検出を扱うためのオペレーターのチームが相当数必要となるでしょう。AIのおかげで、汚れた繊維製品を仕分けするプロセスが大幅に自動化され、検出された異物の除去に人間が介入する必要性が削減されました。

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