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非営利協同組合ランドリーLHLSI(ロンドン ホスピタル リネン サービス社)は「常に一歩先を行く」という理念を実践しています。同社はカナダで初めて消毒済みリネンを供給するリネンサプライ業をスタートしました。このサービスは開始した1995年当時、非常に革新的なサービスでした。そして設立から四半世紀後の現在、同社では新たな試練に直面しました。コロナ禍の影響で、医療現場で使用される使い捨て資材の調達が急遽できなくなり、これに代わり再使用可能なリネンの需要が一気に高まり、需要に迅速に対応するためのソリューションが求められました。こうした状況を背景に、JENSENが力を発揮することになりました。
着実かつ急速に高まるPPEガウン(防護服)の需要
2020年3月以前、ロンドン ホスピタル リネン サービスが生産する防護服は週あたり2万着ほどでした。しかし、コロナ禍で需要が急増し、週平均17万4千が入荷するようになりました。この急激な需要増に対応するため、同社はガウンの折り畳み工程を廃止し、500着単位のカート、または10着単位の袋詰めとして出荷する方式に変更することを決定しました。
JENSEN USAのエキスパートとの綿密な打ち合わせを経て、新たな設備が考案されました。オーバーヘッドコンベア2機がスリングから傾斜台へとガウンを分配し、そこからオペレーターへと送ります。オペレーター2名が迅速に目視検査を行った後、袋詰めされます。このシステムでは防護服をカートに入れて運搬する必要がなく、手作業で処理したり、畳んだりする作業も必要ありません。同社社長のオニール氏は次のように語っています。「この新しい設備のおかげで、処理量はなんと6倍から8倍にまでアップしました。この設備がなかったら、コロナ禍による防護服の需要の爆発的な増加に、どのように対処できていたか想像もできません。」
現在のところ、同社では2台あるコンベアに各2人のオペレーターを配置していますが、今後予想される需要増をも想定しています。各コンベアにはオペレーターを4人まで配置できる十分な空間があり、週あたり最大25万着のガウンを生産する能力を備えています。
49年にわたりJENSEN とパートナーシップを築いてきたLHLSI社とは
LHLSI(London Hospital Linen Service Inc.)(www.LHLS.on.ca)はカナダ最大の州オンタリオ州に本拠を置き、ロンドンの医療機関向けにランドリーサービスを提供する企業として1972年に設立されました。その後、急成長を果たし、現在ではおよそ200名の従業員が一丸となってオンタリオ州南西部45の医療機関にサービスを提供しており、週の生産量は250トンに及びます。1972年当時の作業面積は6,040平米でしたが、2020年には9,755平米に拡大しました。設立以来49年で、3設備を追加、複数回の改修が行われてきました。
同社工場全体でJENSENの設備が稼働しています。最初に採用されたのがJENSEN 1234フィーダーで、シリアル番号4と5が振られていました。2020年現在は、完全仕上げ3ラインと小型品用フォルダー10台が稼働しています。
水とエネルギー消費を削減
同社工場ではSenking Universal連続洗濯機3台が生産の大部分を行っています。堅牢性と長寿命が大きな特徴の同機としては当然のことなのですが、オニール社長によると、Senking Universal P19は3台とも1988年以来、現在まで良好に稼働しています。またSenking Universalは何よりも、水消費量を低く抑えることが大きな特徴です。
2005年、LHLSIは、大胆な持続可能性プログラム「EcoCare」を始動し、大きな成果をもたらしています。2000年と比較して、水の総消費量は約半分(-49.3%)にまで削減されました。当時はリネン1kgにつき、23リットル消費、現在は、わずか11.7リットルとなっています。
節水に大きく貢献したのが、2005年に導入された連続洗濯機Senking Universalです。同機は水の再生と、工程内の全地点で水消費量の計測、制御が可能です。
同ランドリーでは、JENSEN Senking Universalで病院リネンを平均5.83リットル/kgで生産します。同社では顧客にとって最良の結果を得るための「ベストプラクティス」の哲学として、プレス水の再利用をせず真水すすぎを行っています。プレス水を再利用する場合、JENSENでは一般的なヘルスケアリネンで平均4.16リットル/kgになります。
また「EcoCare」コンセプトの一環として、エネルギー強度(出荷重量1kgあたりの総エネルギー入力)を綿密にモニタリングすることで、大きく改善し、出荷リネン製品1kgに投じられるエネルギーは、3.4 kWh/kgから1.74 kW/kgにまで削減されています。
健全な未来に向けた拡充
2005年、同社では完全自動入荷仕分けシステムを新たに追加導入しました。全アイロナーラインの自動セパレーターを含む、仕上げ工程用のFuturailシステムです。この新設備によって、生産能力、特に、前述した自動ガウン分配システムに大きな効果をもたらしました。
2013年当時、すでに数年にわたり乾燥機設備の能力の拡大を模索しており、2014年にその計画を実行に移す大きな機会がやってきました。2階を増築し、新しいDT 120乾燥機を20台設置したのです。この新規設置に際して、操業が停止されることはありませんでした。JENSEN DTシリーズの乾燥機は、より高速の乾燥サイクル、メンテナンスのしやすさ、そして何よりも省エネ性能が最大のメリットです。
この乾燥機は、連洗とバッチ式洗濯脱水機から送られてくるすべての品物に対応します。病院の大部屋や集中治療室で使用するカーテン、介護施設職員のユニフォーム、手術着、患者着、外科用ドレープ、モップなどの清掃用品などは、バッチ式洗濯脱水機で処理されます。つまり、個別の洗濯・仕上げ、信頼性の高いランドリー機器を必要とする幅広い製品に対応します。
JENSENの熱烈なファンであるという社長のオニール氏は、次のように語っています。「私はJENSENについて、製造からレイアウトの準備、人材、そして実際の製品に至るまで、あらゆる面で高いクオリティが行き届いているメーカーという印象を抱いています。私たちが今日の地位を築けたのも、JENSENがクリエイティビティを発揮し、当社と協力関係を築いてくれたおかげだと考えています。何か問題があれば、カナダ担当のセールスマネージャー、カルロス・フェルナンデス氏と、JENSEN USAの担当者がすぐに協力して対策を講じてくれます。当社がJENSENに連絡をすると、単なる専門家としてのやりとり以上のことが行われます。まさに気心の知れた友人同士の交流が行われるといった感じです」。
オーバーヘッドコンベア2台が自動的にスリングから傾斜台へと品物を分配し、オペレーターへと送ります。
迅速に目視検査が行われた後、防護ガウンは病院に届けられます。
Futurailハンドリング・仕分けシステムにより、連続洗濯機への投入が自動で行われます。
LHLSIは、Senking Universal連続洗濯機を3台導入しています。これら2台が設置されてからすでに20年以上が経過しています(設置は1998年)。
20台のDT 120乾燥機が、完璧な乾燥プロセスを約束します。
JENSENの熱烈なファンであるというLHLSIの最高執行責任者(COO)、ブレンダン・オニール氏