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Saudi Airlines Catering Company(SACC)は、高耐久性ランドリー産業の大手サプライヤーであるJENSEN-GROUPと共同で、サウジアラビアで最大の産業用ランドリーを建設しました。
ジッダ北方にあるメガシティプロジェクトのアブダラ王経済都市(KAEC)に位置する、この8,000平方メートルの産業用ランドリーでは、一日当たり45トンの洗濯量を処理できます。これは2013年1月以来、リヤドで「Saudi Laundry Service」(SLS)という名称でランドリーサービスを運営しているSACCにとって、第二の産業用設備となります。SACCはサウジアラビアの首都で20トン/日単位の稼働を実施し、ホテル、航空会社、医療、産業の各企業にランドリーサービスを提供しています。
サウジアラビアの産業用ランドリー市場は依然として拡大を続け、SACCが現在、そのランドリー市場を先導し、最新技術と国際標準を王国に導入しています。
汎用的なランドリー技術
2機種のSenking Universal P50-12連続洗濯機は、30分間の洗濯時間、90%の稼働率に基づいた場合、合計で2,160 kgの洗濯量を処理できます。Senking Universal P50-12はその槽すすぎ方式によって、システム全体にわたって完全な負荷分離を誇り、異なる色の洗濯負荷に対する非常に汎用的な機種です。これにより容量を向上させ、エネルギー消費量を低減します。その特許取得済みのすすぎ工程では、最高10%の新水使用量の削減が確保されています。また、この連続洗濯機はエネルギーと水を内部で再利用するので、非常に環境に優しいソリューションになっています。このことは、水が希少資源である地域で特に重要です。そして正にサウジアラビア王国がそうした地域に該当します。
同じ特性は、TopDrainシステムを採用した2機種の高性能プレス型脱水機Senking SEP50 Plusでも明確に現れています。ステンレス鋼製のこの閉鎖式排水システムは、耐久性の高い耐食性を持つ堅牢な鋼鉄製ブロックから製造されたベースプレート上に取り付けられています。脱水された液体は、中間一時貯留タンクを使用せずに連続洗濯機のすすぎ工程へ供給されます。貯留水が防止され、卓越した衛生が保証されます。洗濯室領域は、バッチ搬送回転式乾燥機の9機種(JENSEN Senking DT 60の7機種とDT 120sの2機種)とCB1000ケーキブレーカーにより完成します。DT 120sの2機種には、吸引投入システムのVacuTransが装備されています。VacuTransはオートメーションにおけるパズルのワンピースを構成します。これは各マシン間の生産フローを加速させることで、生産性を向上させ、利用可能な空間を最大限に活用します。
一言で言うと、これが持続可能なランドリーオートメーションの全てです。ランドリー内の製品フローを同期すると同時に使用されるリソースを減少させることで生産性を向上させます。JENSENは、SACCのプロジェクトチームと共同で将来と現在の要求事項に対応する最新のランドリー設計に成功しました。
最後の仕上げ
高性能アイロナーラインの3機種は、様々な素材とサイズを持った全ての平たいリネンに対する最終的な仕上げを担います。折り畳み/積み重ね機だけでなく、投入機も各カテゴリーの特定のニーズに対応するために調整されています。各ラインの中央には2つのロールを搭載したJenroll EXP12が設置されています。Jenroll EXP12は、最高品質の仕上げを保証するフレキシブルチェストによって、蒸発容量を効果的に利用します。最適な熱伝導の鍵となるのが、炭素鋼製のフレキシブルチェストを併用する蒸気流通経路内の蒸気乱流です。蒸気乱流が表面から結露を流し、断熱水膜の形成を防ぎ、また炭素鋼が濡れたリネンとの最適な熱伝導と低摩擦を保証します。フレキシブルチェストはバンドブレーキのようにロールに適合します。完全な接触が維持されるので、従来のアイロナーの固定式チェストと比較して能力の向上を達成できます。JENSENの全仕上げラインは、ライン全体によって単一のシステムを形成し、設置、制御、保守が容易で、容易かつ安全な操作を可能にするという弊社理念に沿って設計、製造されています。
アイロンがけできない品目は、次に挙げる小型品目フォルダ3機種で折り畳まれます。主にバスタオル用のJenfold Tematic Proの2機種、そして長距離定期便の利用客に提供される毛布用のJenfold Blanketの1機種です。
流行を意識した衣類仕上げ
衣類は洗濯室部門から衣類処理用の自動コンベヤシステムのJENSEN Metriconによって、トンネル式仕上機に搬送されます。Metriconコンベヤシステムは、それぞれの顧客の要求事項に合わせてカスタマイズされ、最適なソリューションを提供するよう構築されています。さらに衣類バッファ積み重ね用の独自システム(利用可能な空間を最適に利用するためにランドリーの天井下に設置可能)が、様々なワークステーション間の同期を可能にします。コンピュータ制御システムは全ての移動を制御するよう設計でき、搬送経路、構成、顧客、サイズ、ロッカーバンク、着用者別に衣類の仕分けを処理します。そのため、Saudi Airlinesの客室乗務員と、SACCの同じリネンサービスを利用している他の航空会社の客室乗務員の衣類を混同することはなくなります。
Jenform Omega Proトンネル式仕上機は、最高品質の衣類仕上げを保証します。この搬送システムはギリシャ文字の「」を元にしています。シンプルであると同時に独創的なこのソリューションは、処理時間を大幅に低減します。乾燥区間と換気システムは遮熱され、その断熱性によって熱損失を最低限に抑えます。乾燥区間と出口区間の空気は、次の順序で入口区間に再循環されます。搬送された衣類は再循環された暖気を使用して入口区間で加熱されます。排気は最低限に抑えられています。終了時に衣類は一貫して高い性能を誇る自動折り畳み機のJenfold Butterfly Fox内で折り畳まれ、積み重ねられます。この汎用的で信頼性の高いシステムは、最高1,000着/時間の衣類処理能力を持っています。
OTC(Offer to Commissioning):提案から試運転まで
この規模の複雑なプロジェクトには、単に生産性の高いランドリー機械を揃える以上のことが要求されます。ターンキー方式のプロジェクトの総合的な成功は、各部を総括することに留まりません。SACCのプロジェクトチームは初期の構想からランドリーの最終的なレイアウトに至るまで、JENSENの地域のランドリーエキスパートと協力して対応しました。この企業は長年にわたって中東で販売・サービス企業を運営してきました。ゼネラルマネージャーのデビッド・ウィンターと彼の同僚は、OTC(Offer to Commissioning)原則に従ってドバイのJENSEN支社からターンキー方式プロジェクトを監督しました。
OTCプロセスは、全ての国際的な重要顧客に適用される一般的なアプローチを利用した、JENSEN-GROUP内の大型で複雑なプロジェクトを管理するための統一された方法です。ランドリーマネージャーは、明確に定義された重要な成果物とプロジェクトの各段階用の支援テンプレートから構成されるOTCプロセスを高く評価しています。
JENSENの装置で処理されたリネンによって離陸準備を整える
Saudi Airlines Catering Company(SACC)は1980年の設立以来、国内のケータリングソリューションを主導しています。SACCは、サウジアラビア全域にある空港からの定期便に機内ケータリングサービスを提供している数多くの外国航空会社だけでなく、Saudi Arabian Airlinesにもサービスを提供しています。この企業は2008年の民営化以来、航空ビジネス以外にケータリングとハウスキーピングの各サービスを提供するという、戦略的な多角化を開始しました。彼らの主要顧客は工場、学校、病院、そしてメッカへのイスラム教巡礼であるハッジとウムラの期間中に王国を訪れる巡礼者に対応する旅行会社です。
「2016年4月26日にランドリーは稼働開始し、完全稼働の状態で引き渡しされ、そして続く2016年4月28日には公式の開業式が行われました」と、SACCとの提携関係を喜ぶデビッド・ウィンターは述べています。