新しい連続洗濯機で作業時間を短縮
Vendrig社は家族経営で現在は三代目が経営にあたっています。1960年に清掃用リネンの洗濯で事業を起こして以来、順調に成長し続けています。60年以上にわたり、特殊車両メーカー大手のTerbergグループと良好な関係を築き高い顧客満足を得ています。
従業員は現在120人で、自動車整備工場、食肉工場やその他多数の中小企業を含むオランダ全土の幅広い顧客に、リネンサプライを提供しています。
同社は、産業用ランドリーとドライクリーニング設備の両方を併せ持つオランダ唯一の企業で、特に石炭処理施設や石油会社などで発生する汚れのひどい衣類は、ドライクリーニングで処理した後、仕上げ工程で、再び他の洗濯済みユニフォームと一緒に収集されます。
毎日5トンから6トンを処理しており、土曜日に稼働することもあります。取り扱いは主に作業服ですが、マットも若干含まれます。洗濯物はトラックで回収され、フルサービスで処理された後、再び清潔になった状態で顧客のもとに届けられます。
最近まで、一連のバッチ洗濯機を6時から14時までと14時から22時までの2つのシフトで稼働させていました。特に第2シフトは夜勤手当の対象となるため、コストかさむ原因でもありました。
同社では、この課題について、人員削減以外の、低コストで堅実な解決策を探し求めていました。定年退職や転職による離職による社員数の減少とあわせた解決策として、連続洗濯機を導入したことにより、第2シフトを完全に廃止することに成功しました。
新しい連続洗濯機を設置したことで、処理能力が向上しただけでなく、従業員の身体にかかる負担も大幅に軽減されました。以前は、重い洗濯物を手動で洗濯機に入れなければなりませんでしたが、現在では最新の自動オーバーヘッドコンベアシステムにより、常に連続洗濯機の各槽に洗濯物が供給されるようになっています。これにより、すべての洗濯槽を常にフルに活用することが可能となりました。同社のローイ生産部長は、最も重要なメリットは、空の、つまりは非効率的な洗濯槽がなくなったことにあると見ています。
処理能力の向上と節水・省エネ
新規導入した連続洗濯機JENSEN Senking Universal M-15には、15個の槽が備わっています。4分ごとにバッチが回転して排出されます。Senking Universalは、予洗ゾーンと本洗ゾーンだけでなく、濯ぎゾーンでも直立槽による槽交換システムに基づいて動作します。
各バッチはそれぞれの槽の中にとどまり、プログラムに応じて洗剤量、水温と水位が個別に決定されます。
そのため、槽が空になったりバッチが混同したりすることなく、異なる種類の洗濯物を順々に処理することが可能です。
Senking Universalの基本仕様では、カウンターフロー濯ぎ方式が採用されています。さらに特許取得済みの濯ぎ工程では、使用済みの水を回収して濯ぎゾーンで再利用するため、浄水消費量が約10 %削減されます。水消費量を節約できる連続洗濯機としてSenking Universalが定評を得ている理由は、このような活用方法にあります。
Vendrigでは、白物と色物用にそれぞれ2つ、合計で4つの貯水タンクを使用しています。これにより、処理用水がカテゴリーごとに分けられ、貯水され、再び工程に再供給される仕組みが確立されています。最初の評価によると、新しい連続洗濯機導入し、18 %のエネルギーを削減できたということです。ここでも、JENSENの新しい遠心脱水機と3台の乾燥機が貢献しています。ローイ生産部長は、連続洗濯機を設置したことで非常に大きな変化がもたらされたことを認めています。このように作業プロセスをスマートに自動化したことで、コストを大幅に削減できただけでなく、従業員の身体にかかる負担も軽くなり、以前より快適に作業できるようになっています。
清潔さを徹底的に追求
Vendrigでは衣類の処理・仕分け用自動搬送システムJENSEN Metriconシステムを使用しています。
2007年にMetriconシステムの稼働を開始していましたが、最近チューンアップを実施し、レール搬送をさらに最適化し、衣類の仕分けと包装時の処理能力を高めました。新しい連続洗濯機を導入したことで、洗濯工程での処理能力が既に高まっていたため、搬送の改良に至ったのは当然の流れであったと言えます。洗濯工程に合わせて搬送システムでの処理能力も高めて、ボトルネックが発生することを防止する必要があったのです。
衣類を掛ける作業も自動化によって非常に楽になり、従業員の身体にかかる負担が軽くなっていますが、その理由は、それぞれ50 kgの洗濯物から成るロットをカートに入れて供給できるようになったためです。
同ランドリーでは6つのハンガー掛けステーションで、1時間あたり1,200点以上、1週間で合計約60,000点の衣類を処理しています。
最後のセクションでは、FoxとJENSEN Maximatの2台のフォルダが活躍しており、すべての衣類が完璧に折り畳まれて積み重ねられます。このように、Vendrigは持続可能性が高く、従業員の身体にやさしい機械を使用する最先端のランドリーです。
安全第一
Vendrigはこれまでの投資に非常に満足しており、早くも今後のイノベーションへの期待も高まっています。現時点では特に、工程を改善して作業プロセスでの安全性をより一層高めることに関心が寄せられています。
ローイ生産部長は、作業服のポケットの中に入ったまま忘れられた物品が毎日数キロにおよび、問題になっていると述べています。具体的には大量の鍵、レンチ、ドライバーやその他の小型工具などで、仕分け担当者が怪我をする可能性が高いことを意味しています。またそのような工具は、機械の重大な損傷につながる可能性もあります。
「もちろん当社にも、あらゆる技術的な業務の担当者がいますが、すぐ近くに拠点がある優秀なアドバイザーと技術者がいるJENSENベネルクスに問い合わせて、一緒に解決策を見出していけるのを喜ばしく思っています」とローイ生産部長は述べた上で、「次のステップは入荷検品仕分けロボット導入であることが確定しています」と付け加えています。
「verfrissig(確実かつ斬新)」なアプローチ
これまで見てきたように、Vendrig社では物事が理想的に動いています。顧客とのコミュニケーションを通して成長している一方で、サプライヤーとの密接な協力関係を通して最新設備を導入しています。その好例がJENSENとの協力関係です。
Vendrigでは今後も「verfrissig」、すなわち斬新なアプローチを続けていく意向です。「verfrissig」とは同社の特徴を示す造語であり、オランダ語の「veilig」(確実)と「fris」(斬新)をかけ合わせた形容詞です。
JENSENでは、イノベーション、最新技術と顧客志向の協力関係を通して、今後もVendrigの「verfrissig」なアプローチに貢献していきたいと考えています。